迷っているなら「ゼロ秒思考」で切り抜ける

迷っていたら、生き残れない。

まぁ、そういうことです。

あれこれ悩んでしまうことはよくあるけども、ずっと考えていれば必ず良い方向に進むはず。かと思えばそんなこともなく、現実世界では同じところを行ったり来たりの堂々巡りなんてこともよくあること。時間を取られた割にその進捗具合はあんまり芳しくない。

と1度でも思ったことがある方、即断即決がなかなかできずにいる方にとって、この本はとても有用になる可能性が高い。著者が試行錯誤の上で成果を上げてきた思考方法を教えてくれる。

なんて、堅苦しい宣伝文句的なものはこれくらいにして、ざっくばらんに、僕が試してみた結果も含め書き残しますのでご参考に。

 

概要

題名:ゼロ秒思考

著者:赤羽雄二

出版社:ダイヤモンド社

初版:2013年

 

1日10分で悩みの本質を見極める

悩んでいる時というのは、はっきりと明確にその内容を把握している場合もあるけれど、大体はぼんやりと、「なんかモヤモヤするなぁ」とか「どうすればもっと仕事できるようになるかなぁ」とか「どうすればあの人とうまくいくかなぁ」とか、そういう大きい問題に対して、これといった解決策が出てこなくてループすることが多い。僕の場合は。

そんな時に頭の中だけで考えていても、「こういうことかな?違うか。そういうことかな?違うか。」と繰り返してしまう。そこで、1つの大きい問題を掘り下げて細分化したり別の視点を持つと、そこを抜け出したり、そこまでいかなくても何かヒントを得られる。

その掘り下げとか細分化をどうすれば良いのか。それは、本書で紹介されているような自分の気持ちを紙に書き出すことで解決できる。書いたものを見返してみると、意外にも「あ、本当はこういう思いだったんだ」とそこで初めて気がつくこともあったりする。自分の気持ちに正直になり、本当の自分の心を知るきっかけにもなる。

本書で紹介された内容ではないけど、こんな調査結果がある。アメリカのテキサス大学での研究によると、失業した知的職業人たちに、5日連続で毎日20分ずつ、自分に向けて、自分の気持ちを書き出す「ジャーナリング」を行なってもらったところ、8ヶ月後の就職率は通常より40%以上高い68.4%という高水準になった。一方、「ジャーナリング」を行わなかったグループの就職率は27.8パーセントと低水準に終わった。

もう一つ別の調査結果で、アメリカのミズーリ大学の調査では、49名の大学生が2日間連続で2分間の「ジャーナリング」を行なった結果、心身の健常性の向上が見られたとのこと。

だから、まずは紙に書き出すという行為を習慣にできると、たとえ少ない日数・時間であってもそれだけでも高い効果が得られる。本書のメモ書きの方法で行えば、メモ1枚が1分で終わる作業。10枚書いても10分。素晴らしい。

 

瞬時に思考をまとめる大事さ

頭の中だけで考える派の人もいるでしょう。僕は今までそうでした。一応ふとアイディアっぽいのが閃いた時にはiPhone純正メモでさっと残してはいたものの、後で振り返ってみると、

なにこの謎の単語

というのがまぁまぁ起こる。頭の中だけで考えていると、僕の記憶力がないせいか、あっちこっち、いろんな方向へ思考が分散してしまうことも度々。そうなると、元々の出発地点はなんだったっけ?となったり、いろんなところから情報を集めた挙句、「あー、なんかよく分からない」で終わってしまうことも。

全くもって時間の無駄である。

思い返してみると、こんなん何回あったっけなと、後悔。だから、瞬間瞬間での思考をうまいこと整理して残しておけたらこれほど効率的なものはない。まさにゼロ秒思考で。

著者の言っている「ゼロ秒思考」の意味を引用すると、

ゼロ秒とは、すなわち、瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できること

これを身につけることができるトレーニング方法となる。

 

説明が上手い人というのは

説明上手な人の話を聞いていると、話していることがすっと頭に入ってくるのがよく分かる。全然意識はしていなかったけど、きっと、その場その場にあった適切な言葉を適切な順序で使っているんだろうと思う。

1つの単語だけにしても状況に応じて色んな意味とか含みや幅があるし、特に日本語は曖昧な言葉とか表現も多いし、「察する」という文化もある。だから話の内容を共有するだけでも難しい場合がある。

でも、それを乗り越えて言葉の魔術師になれたら、めちゃめちゃ面白そうだし、人生、目の前がどーんと広がっていく気がしませんか?

ブログ記事とかの文章なんかは考えながら書いても後からどうとでも修正はできるけど、会話になると、瞬時に考えて話す必要があるし、一度言ってしまったら取り消すことができない。だからこそ、話す側としては相手に分かりやすい明確な言葉を使った方がいいし、聞く側としても瞬時に考えることができれば、内容を汲み取りやすくなるはず。

 

誰でもできるようになるのか問題

大体、この手の「◯◯ができるようになる方法」なんてのは、「誰でもすぐにできますよ」というのが常套句ではある。だから少し疑いの目で読むことも多くなる。著者の赤羽さん自身、効率よく情報収集する方法を紹介していたとある記事で、「あらゆる記事は話半分で聞いて、必要に応じて裏を取ること」とおっしゃっている。自分の書いた本が話半分で聞かれると思うとすごく嫌だと思うけど、自分で言ってるんだからしょうがいない。

でも、本書の内容に関して言えば、本当にすぐに行動に移すことができるし、毎日やっていれば、目に見えて上達するのを実感できる。センスや天才的な才能がなくても継続することで必ず効果が出る、というのはやらない選択肢がなくなる。

 

実際にやってみてどうなんだい

で、気になるのはやってみて何かが変わるのかどうか、ってところですよね。著者曰く、本書で書かれた方法を実践すると、割と早めに、3週間〜1ヶ月程で効果が表れるという。てことで、試しにまず1週間だけど実践してみた。

結論から言えば、

前向きな気持ちになれる

ということ。まだまだ取り急ぎの1週間だけれども、自分の吐き出した気持ちを文字として目から認識できるってのはなかなか良い。そして回数を重ねるごとに確実に上達する。書いた内容がベストな言葉でまとめられているかと言えばまだ未熟なところはあるけど、初回の1回目に比べたら見違えるほどになっている。

著者の言う3週間を続けるには意外とこれだけでもモチベーションにはなる。

デメリットとしては、紙を大量に使うから罪悪感が残るという。ペーパーレス云々言われてる中で、こんな自分のためだけに1日10枚という資源を消費してしまって良いのかと。特にはじめのうちは、溜まり溜まったものが一気に吐き出されるということもあり、どんどん出てくる。著者は裏紙を使えと言うけれど、仕事でもそんなに毎日毎日印刷もしないんです。

そんなことを思いつつも、気づけばコピー用紙100枚入りを購入している僕。おそらく、安上がり。

 

ざっとまとめると

個人的には、投資に対してのメリットがかなり大きいと思う。

  • 自分の気持ちに気づける
  • 瞬時に思考をまとめることができる
  • 状況を把握して仮説を立てて良い判断を下せるようになる

1つ目だけでも今後の人生を歩んでいく上で相当な強みなんじゃないかと思う。最終的にはコミュニケーションも円滑になって、いい感じで心の状態を保てると。こんな感じか。少し悩み中であれば、試してみる価値はあるかと思います。

 

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