「なんだかなぁ」「どうにかできないかなぁ」って今まさに思っている人。これを読んでみると良い。優しくマックスが教えてくれる。方向性を教えてくれる。何をすれば良いか教えてくれる。
糸井重里さんも本書の帯でこう言っている。
いまの自分の状況になにかヒントはないかと探している人には、きっとおもしろく読めると思います。
もう一つ、これまで自己啓発本をたくさん読んできた人にとっても、新しい発見があるかもしれません。迷った時にこの1冊。
概要
題名:仕事は楽しいかね?
原書名:THE MAX STRATEGY
著者:デイル・ドーテン(Dale Dauten)
翻訳:野津智子
出版社:きこ書房
初版:2001年
あらすじ:
大雪で閉鎖になった空港で、偶然出会った老人”マックス”の問いかけに動揺してしまった35歳の”私”。日々の仕事にゆきづまりを感じ、未来に期待感をもてない私に、マックスは一晩だけの講義を開始した・・・。
軽く流してしまいそうなほど読みやすさ
本書の構成は対話形式になっている。実業家、政治家、企業のトップからも相談を受けるような人生の大先輩である1人のご老体のマックスが、自分の人生にモヤモヤを感じている30代の働くビジネスマンに成功の意味、人生の意味、より良く生きるための過ごし方について語る。
もちろん、生徒側の視点に近い人の方が、心を刺激されやすいのは間違いない。ある程度の境遇にはいるはずだから。でも、読者が何歳であろうと、仕事でもプライベートでも「なんか違う気がする」という心にモヤモヤを抱いているなら、一読する価値はある。
対話形式ということと、文量も多くないこと、落ち着いたおじいさんが話している、ということもあって、サラサラ読めてしまう分、軽く流して読み終わってしまう人もいるかもしれない。
でもそんな人は読み終わった時点で、すんなりと心に浸透している部分と、なんだかはっきりとしない何かがいると感じる。重要な何かを読み逃して理解し逃しているんじゃないかと。
直感は大事だとよく言われるけど、そう感じたならもう一度じっくり読んでみた方が良い。世界の成功者たちも読んでいるということは、それだけ重要なマインドが隠されている可能性があるし、理解できないまま読みっぱなしにすることほど時間の無駄なことはない。
とは言っても、同じ時期に何度も読んだところで完全に理解できるとは限らないから他の知識を得た上で、他の経験をした上で読み直すとアハ体験が待っているかもしれない。
リラックスしながらもモチベーションを上げてくれる
ビジネス本とか自己啓発本とか生き方についての本って、割とかたっ苦しい体裁の本もある中で、おじいさんが語って聞かせてくれる本書は実に読みやすい。
校長先生の話は長くて嫌だったというのは、もはや全国共通の認識としてあるけど、そんなんではなく、近所の気の良い面白いおじさんの話を聞くようなイメージ。大塚教頭を思い出すよね。大塚教頭ってのは、僕の中学校の時の教頭先生だね。
色々と分かりやすい事例を交えて教えてくれるマックス。話を聞いていると、自分でもできそうな気がしてくるし、実際にすぐに取りかかれる内容ばかり。あれもやって、これもやって、というわけではない。意識することはただ一つだけ。
なんかこう、肩の荷が降りるというか。もちろん成功するのには努力は必要だし簡単ではないけど、肩肘張って生きる必要はないよね。
アイディア創造のための
アイディアの出し方についても、割と具体的に学べる内容。全体的に伝えたいことがアイディア創造ということに繋がってくる。チャンスがないとか恵まれていないとか思ってしまう人には、こういう言葉も響くかもしれない。
「もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?」
何気ない一言。でもよくよく考えてみると、ちょっと恐ろしい言葉。ふさわしいだけのことを自分がしてきたか、自分を本当に信じられているか。ふむ。
レビューをさらさらっと見た感じでは、本書に書かれた他の名言(的なもの)を取り上げていることが多いけどね。やっぱり人によって、読むタイミングによって、何が刺さるかは分からない。
「目標」とは
自己啓発本とか成功哲学本の中で実に多くの本が、
「明確な目標を掲げ、それに対して具体的な実行計画を立て、決して諦めないことが、成功への道だ」
的なことを言っている中で、本書では成功への別のアプローチを教えてくれる。諦めないで努力を続けるという点では共通しているけど、色んな本に書かれている「目標」に対して別の見方もあるんだよ、と。
凝り固まった考え方を否定されたと思って受け入れないことも1つの選択肢だけど、色んな考えを知って会得した上で自分の軸を構築していけば良いのではないでしょうか。ムッとせずにまずは理解しようと努めると。
最後に
結局、本を読んだだけでは何にもならない。知った上でそれを実践できるかどうか。最後にこの引用で締めくくってみる。
“適切な時”とか”完璧な機会”なんてものはないということ。
これは<この場で><ただちに>始めるということ
さぁ、始めましょう。
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